保育士の離職率は、長年にわたり社会課題とされています。
賃金、業務量、人間関係――理由はさまざまですが、実はもう一つ、あまり語られていない要因があります。
それは 「空気環境」 です。
保育園という空間は、子どもたちが密集し、長時間過ごし、そして免疫がまだ十分に育っていない環境でもあります。その中で感染症が流行すれば、現場は一気に緊張状態に入ります。
しかし、その感染症の広がり方を左右するのが「換気の質」であることは、近年の研究でも明らかになっています。
そして換気の質を左右する最大の要因が、実は ダクトの維持管理状態 なのです。
■ 感染症が流行すると、保育士の業務は一気に増える
園内で胃腸炎やインフルエンザが流行するとどうなるでしょうか。
嘔吐処理、消毒作業、保護者への連絡、急な欠勤対応、記録作業…。
通常業務に加えて、緊急対応が一斉に増加します。
保育士は子どもの安全を守りながら、感染拡大を防ぐための業務を同時進行で行わなければなりません。
その結果、
- 心身の疲労蓄積
- 人員不足による負担増
- 職員間のストレス増大
- 休職・離職
という悪循環が生まれます。
感染症対策は、子どもを守るだけの施策ではありません。
感染症対策は、保育士の働きやすさを守る施策でもあるのです。
■ 研究結果が示す「換気の重要性」
英国政府×リーズ大学の共同研究では
と発表されました。
- 新鮮な外気を取り入れると、感染リスクを70%以上低減
- 換気によって、空気中のウイルスを含む粒子を希釈・拡散し、滞留を防止
- 密閉空間と換気空間で感染再現率に大きな差が確認されている
従来は
「手洗い・マスク・距離」
が中心でしたが、
現在は
+Ventilation(換気) が感染予防の最前線とされています。
■ “換気しているつもり問題”という盲点
感染対策として、窓を開ける、換気扇を回す、エアコンを動かす――
多くの園で取り組まれています。
しかし問題は、「設備が機能しているかどうか」です。
窓を開けているから安心。
エアコンが動いているから大丈夫。
換気扇が回っているから問題ない・・・・ではないのです。
換気は、空気の入口と出口が適切に働いて初めて成立します。
ダクト内部に汚れが蓄積し、フィルターが詰まり、防火ダンパーが正常に動かない状態では、
風量不足にもなり、空気は十分に入れ替わりません。
ダクトの状況は見た目では分かりません。
だからこそ、気づかないまま年月が経過してしまう。
町のクリニック、10年以上未清掃、換気していない
新築3年で換気口詰まり、防火ダンパー故障
といった実例も記載されています。
換気設備はある。
しかし機能していない。
これが「換気しているつもり問題」です。
■ 研究が示す”空気”の影響 CO2濃度とストレスの関係
さらにスタンフォード大学やNASAの研究では、
CO2濃度が上がると集中力が低下し、イライラしやすくなる
というデータが確認されています。
つまり、換気不足により、
- 疲労感の増加
- 眠気
- 判断力低下
- ストレス上昇
が起きるとされています。
これは、保育士同士の人間関係悪化や、判断ミスは事故につながり、感情的な対応増加の引き金にもなります。
空気環境は、心理環境にも影響を与えます。つまり、
空気の悪さ=職場環境の悪化
とも言えるのです。
■ 保育園は“感染のハブ”になりやすい
子どもは免疫が未熟のため、感染症にかかりやすい「感染症のハブ」になりやすい 存在です。
園児
↓
園内で感染が拡大
↓
家庭 へ
↓
保護者の 職場 へ
↓
医療・福祉施設 など社会全体へ波及
この連鎖を抑えるため、最初の防波堤が園内の環境整備です。
という連鎖が発生します。
最初の防波堤を園に置くことで、社会全体の損失を最小化できます。
また、感染症を抑えられれば、
- 保育士の負担減少
- 保護者の欠勤減少
- 園の信頼向上
という好循環が生まれます。
■ ダクト清掃が離職対策になる理由
ダクト清掃は、感染症対策は子どもの健康だけでなく、保育士の働きやすさ・離職防止に直結します。
ダクト清掃により
- 換気量が新築時水準に回復
- 空気中ウイルスの滞留防止
- CO2濃度の低減
- 緊急時の仮設換気で6倍換気も可能
が実現します。
その結果、
- 感染症流行の抑制
- 嘔吐処理件数の減少
- 保育士の精神的負担軽減
- 欠勤減少
- 職場満足度向上
という効果が期待できます。
■ 緊急時対応も可能
ダクト清掃により風量が増え、素早く室内の換気が可能となると
胃腸炎などの嘔吐処理後に
- 換気経路の除菌
- 大風量送風機による吸い出し
が実施できます。
空気感染はダクトを通じて再拡散する可能性もあるため、分解清掃と除菌が重要です。
北欧・欧米ではなぜ進んでいるのか
北欧諸国では、室内空気環境は健康政策の一部として扱われています。
換気設備の維持管理は法律で義務化され、定期清掃が社会的常識となっています。
空気は「インフラ」である。
その思想が根付いているのです。
日本ではまだ義務化が進んでいませんが、健康経営や感染対策の観点から、今後確実に注目が高まる分野です。
■ 保育士を守ることは、園の未来を守ること
保育士の離職は、
- 園の運営リスク
- 保護者の不安
- 採用コスト増加
- 地域の子育て環境悪化
- 教育者の負担増
- 園の信頼低下
につながります。
しかし、空気環境を整えることで、
- 感染症減少
- ストレス軽減
- イライラ減少
- 働きやすさ向上
が期待できます。
離職対策は、給与や制度だけではありません。
空気を整えること。
職場環境を整えること。
それが、保育士の安心感を生み、
長く働きたいと思える環境をつくります。
ダクト清掃は単なる設備メンテナンスではありません。
“職場環境改善施策”なのです。
■ まとめ
感染症対策は、
子どもを守るためだけでなく、
保育士を守るための投資でもあります。
感染症対策。
ストレス軽減。
離職防止。
地域社会への波及効果。
空気を整えることは、未来を整えること。
保育士を守る環境づくりの一歩として、
今こそ“見えない部分”に目を向けてみてはいかがでしょうか。
そしてそれは、
未来の子どもたちを守ることにつながります。
